初の全国大会で4勝!今後に大きな手応え~マイナビベガルタ仙台レディースユース「XF CUP 2019第1回日本クラブユース女子サッカー大会(U-18)」レポート

 男子の「日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」と同様のレギュレーションの大会を女子でも開催し、女子のクラブユースチームに拮抗した公式戦の機会を与えようと設立されたのが「日本クラブユース女子サッカー大会(U-18)」だ。マイナビベガルタ仙台レディースユースは5月の東北地域大会で水沢ユナイテッドFCプリンセスと対戦し、9-0で勝利し、東北代表として出場権を獲得した。

 今大会は「日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」と同様、4チームずつのグループで総当たりのリーグ戦を行うグループステージと、各グループ上位2チームがノックアウトのトーナメント方式で試合を行うノックアウトステージに分かれている。男子の大会との違いは、女子は公式戦の機会が少ないため、グループステージの各グループ下位2チームも下位トーナメントというトーナメント方式での試合が用意されて、必ず6試合できるようになっている。

 7月30日、コーエイ前橋フットボールセンターで行われたグループステージ第1戦は浦和レッズレディースユースとの対戦。この試合、マイナビベガルタ仙台レディースユースは大きなハンデを背負うことになった。現在14人の高校1年生が在籍しているが、フィールドプレーヤー3人が負傷で出場できず、出場できるのは11人。そのうち2人はGKであったことから、スタートから10人での戦いを強いられることになった。このような事情もあったが「フィールドプレーヤーが高校1年生9人であっても勝つために準備をしてきた」と小川翔平監督が語った通り、選手たちは前向きにこの試合に取り組んだ。開始3分で攻撃の圧をかけた相手に2失点を喫してしまったが、その後は守備が安定し、カウンター攻撃で決定機も作れるようになっていった。後半2失点し、0-4の完敗ではあったが、最後まで戦う姿勢は失わなかった。

 この姿勢が31日のアンクラス・ノーヴァ戦に生きた。この試合もスタートから10人で戦ったが、相手は中学生が主体ということもあり、パワーで圧倒することができ、1人少ないながらも10-1で大勝。全国大会初の1勝を挙げ、グループステージ最終日で勝てばノックアウトステージ進出が決まることになった。

 迎えた8月1日横須賀シーガルズJOY戦。前日全国ベスト8という好成績で大会を終えたマイナビベガルタ仙台レディースジュニアユースの選手たちが5名合流し、スタート11人、サブメンバー5人で戦うことができるようになった。試合は前半から多くの決定機をつくるがなかなか決めきれない展開。そうした中、相手に先制ゴールを許し、さらに苦しい展開に。3連戦の最後の試合ということもあり、体力的にも厳しかったが、最後まで諦めずに走るマイナビベガルタ仙台レディースユースの選手たち。その姿勢が実り、アディショナルタイムにMF貝尾千夏(1年)のゴールが決まって1-1の同点で試合終了。

(得点量産のMF貝尾千夏)

 惜しくもノックアウトステージ進出を逃し、涙を見せる選手たちの姿もあった。キャプテンでU-16日本女子代表のFW宗形みなみ(1年)は「最初の2試合は人数が少なかったのですが、高校1年生だけという利点を生かして、良い意味で捉えてチームワークの良さを見せられました。しかしあと一歩及ばないところは普段の練習の甘さが出ました」と悔しさをあらわにした。2試合を10人で戦わねばならないハンデがありながら、全員が本気でノックアウトステージ進出を目指していたからこその悔しさであろう。

 そして「下位トーナメントは全勝できるように頑張りたい」と語ったU-16日本女子代表MF猪瀨結子(1年)の言葉は現実のものとなった。8月3日、北海道リラ・コンサドーレに4-0、4日アンジュヴィオレ広島U-18に3-0、5日伊賀FCくノ一サテライトに4-1で下位トーナメント全勝し、16チーム中9位の成績で大会終了。初の全国大会で4勝1分け1敗、そのうち2試合はスタートから10人で戦ったことを考慮すれば十分に健闘した。

 今後も冬の「JFA第23回全日本U-18女子サッカー選手権大会」など各種全国大会に臨むマイナビベガルタ仙台レディースユース。今大会4勝という結果は必ずや今後につながるはずだ。