【マイナビインタビュー】2020シーズン開幕直前「高まるチーム内の競争。より自分たちでボールを握る時間を増やす」辛島啓珠監督インタビュー

―6月から約1か月間のチーム練習を経てまもなく開幕。今感じている手応えは。
「選手たちのコンディションはだいぶ戻ってきている。実際に90分のゲームはなかなかこなせていないが、紅白戦などを通して動けている感じから、コンディションは問題ない。トレーニングを積み上げていく中で、そんなに動きは悪くないかなと思っている」

―経験豊かな新加入選手も迎えたが、昨シーズンからの変化はどう感じるか。
「チームの底上げはかなりあると思う。プレーの部分に関しては、昨年よりはしっかりボールを繋げている部分もあるので、自分が思い描いている基準の中では前に進んでいるかなと感じる。ポジション争いが出てくるので、そういった面でも去年に比べてプラスになっている」

―チームのテーマは「Move Forward 前進」。今シーズンの戦いをどのように思い描いているか。
「去年からみんなに話しているのはオーソドックスなことだが、カウンターを持ちながら、より自分たちでボールの持てる時間を増やしていきたいということ。そこは一番大きなこと。相手にもよるが、その部分を、試合を通して表現できるか。更にセットプレーや守備を高めていかないと勝敗に影響する。そこのバランスを取りながら進めていければと思っている」

―勝ちきるために「自分たちの時間を増やすこと」が重要だと。
「行く行くはそういう風にしていきたい。それがイコールで勝敗につながるとは思っていない。勝敗に関していえば、お互いのゴール前の攻守の精度というのは大きな部分がある。いくらボールをキープして、攻撃の時間が長くても最後の精度が低かったら得点にはならない、勝てない。ゴール前のところやセットプレーの部分は重要になる」

―シーズンを勝利から始めるために監督から求めていきたいことは。
「選手自身がやることは、自分自身で体のケアをすること。けがをしないことは大前提。良いコンディションで試合を迎えたい。最終的にはハードワークするとか、守備の強度を上げるとかそういうところがないと、良い攻撃をしていても守備がもろくては良くない。コンディションが上がってきているからこそ、ハードワーク、守備、球際はやっていかないと、という話はした」

―第1節、第2節はホームでリモートマッチ(無観客試合)となるが、どのように考えているか。
「ホームで2試合無観客というのは、当然声援が無くなるので、我々にとっては難しい部分もあると思う。ただ、その中でも試合を無観客ではない状況と同じようにしっかり戦って、良いゲームをしていかなければいけないと思っているので受け入れて考えてやっていきたい。けしてネガティブにはなりたくない」

―開幕戦の対戦相手、アルビレックス新潟レディースについて。
「MF上尾野辺(めぐみ)選手とMF川村(優理)選手。この二人とGK平尾(知佳)選手は真ん中の軸だと思う。特に上尾野辺選手、川村選手にはセットプレーもある。そこを中心に、周りの若手選手もテクニックがあって点が取れる選手もいる。いかに、軸の二人と攻撃陣を自由にやらせないかがひとつのポイント。あとは自分たちのビルドアップを狙ってきて、守備に力を入れてくると思う。特に自分たちの自陣のビルドアップ。そこで容易にミスが出て失点してしまうと苦しくなると思うのでその対策は考えていきたい」

―最後に、サポーターへメッセージを。
「昨年、いい成績、特に前半は勝ち点を取れなかったので、後半何とか残留は決めたという不甲斐ない成績だった。勝ち点を積み上げていって、サポーターの方に喜んでいただきたい。そのための準備はやっていきたい」