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【マイナビベガルタ仙台レディース】「地元チームでプレーするという喜び。愛する仲間と歩んだ9年間」小野瞳選手引退記者会見

2020.11.24

小野瞳選手より引退のあいさつ。
「今シーズン限りで現役を引退することを決めました。正式に決めてから、日がそんなに経っていないので整理できていない部分もあるのですが、今シーズン限りでサッカー選手としての現役生活を終えることを決断しました。ここまでサッカーに携わってこられたのも、たくさんの出会いがあったからです。その出会いによってたくさんのことを教えていただきました。この道を歩むのにたくさんの応援や支えがあったからこそ、ここまでやって来られたのではないかなと思います。決断した今は感謝の気持ちでいっぱいです。

(東京電力女子サッカー部)マリーゼに入団したのが2011年2月。そこから1ヶ月でチームが休部となりました。チームを失ってから途方に暮れ『何をモチベーションにがんばったらいいのだろう』と思って過ごした日々を覚えています。そこから約1年後にベガルタ仙台レディースというチームが、多くの方々の尽力によって誕生した時は、地元でサッカーができるという嬉しさでいっぱいでした。サポーターの皆さんにホーム開幕戦で『サッカーを続けてくれてありがとう』という横断幕を出していただいたときは、言葉にならない思いでした。その当時、このチームのメンバーでサッカーができるだけで十分だという気持ちの一年でした。

そこから9年が経ちました。振り返ればあっという間でした。いろんな場面がありますが、毎年毎年仙台を選んで来てくれるメンバーにはすごく感謝をしています。毎年、皆と笑ってサッカーができる喜びを感じながらやって来られた9年だったと思います。こんなに長くサッカーを続けられると思っていなかったのでいろんな方の支えがあって、応援があってここまで来られたのだなと思いました。サッカーと通して出会えたすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」

―引退を決断した時期と理由を聞かせて下さい。
「はっきりとこの日というのはないんですが、夏が過ぎて秋口くらいですね。今年で選手を辞めようかなと思っていました。リーグ戦が終盤に差し掛かって、先のことも考えていかなければいけないと思った時に、ここまでやって来られたことに十分感謝だなと思いました。その嬉しさでいっぱいになったので、決断に迷いはありませんでした」

―チームメートにはいつ伝えましたか。
「今日(11月12日)の練習前にみんなに集まってもらって伝えました。たぶんチームメートはこのような話をされるとは思っていなかったと思います。みんなには『出会えてよかった。一緒にサッカーができて良かった。みんなが大好きです』と伝えました」

―このチームで9年間続けてきた中で、最も心に残る思い出はどんなことですか。
「ひとつに絞るのが難しいですが、2012年のホーム開幕戦、常盤木学園戦が印象に残っています。小さい頃からユアテックスタジアム仙台に、ブランメル仙台やベガルタ仙台の応援に行っていました。まさかそこで、なでしこリーグという女子サッカーのトップリーグの試合をできるということ。そして改めてサッカーができる環境を作っていただいたこと。『サッカーを続けてくれてありがとう』というメッセージをいただいたこと。一生忘れられない場面です」

―同学年の88年、89年生まれのメンバーは特に仲良しでした。どんな思いがありますか。
「ベガルタ仙台レディースができてから9年ですが、毎年『889』の同年代の選手が多く所属していて、初年度からも仲が良かったです。なでしこリーグ以前の学生時代から友達、知り合いだった選手たちが集まって活動してこられました。引退を決断した今は、同年代がいたからここまでがんばって来られたなという思いです」

―リーグ戦と皇后杯、残り試合へどう挑んでいきますか。
「今いるメンバーと、シーズンの最後まで、練習も試合もみんなで一つになって最高の時間にしたと思います。引退を決断したからこその『みんなとサッカーができる喜び』を感じてみんなとプレーできたらと思います」

―今後の進路について決まっていることや希望があったら教えて下さい。
「まだ引退を決断して日が経っていないので、あまり考えられていないです。これから考えていきたいと思います」

―決断した要因の中に「WEリーグ、チームのプロ化」ということはありましたか。
「32歳という年齢もありますし、毎年『来シーズンはどうするか』ということを考える年でもあると思うんです。毎年悩んで決めていく中で、来年からWEリーグだから、プロだからというのは関係なかったです。今シーズン若い選手もたくさん加入してきました。その中で自分が競争してどう戦っていけるかを考えた時に、もう十分やって来られたのではないかなと思いました」

―松島町出身、地元で現役生活を締めくくるということで、このチームは小野選手にとってどのようなものでしたか。
「私にとって地元宮城県の大切なチームです。地元のチームで、第一線でサッカーができるという経験は多くの人ができることではないと思います。私自身は、移籍をすることなくこのチームに所属したのですが、そこで思うことは、毎年仙台を選んで新しい選手が加入してくれるということはすごく嬉しいということです。加入してきてくれた選手との出会いや縁は大切にしたいと思えたチームです。とにかくこのチームに関わる人、加入してくる選手に寄り添えたらいいなと思ってやってきました。大切なチームであることに間違いはありません」

 リフティングはチームナンバー1。常に高い技術で私たちを楽しませてくれた小野選手。テクニックの源泉はその体格にあった。「細い体の私が大きな選手にまともに当たると跳ね返されるから」と笑った。ピッチの中では先を読む力も光った。
 人呼んで「仏のひとちゃん」。どんな時も優しい笑顔で仲間を包み込む。「仙台に来た1年目、思うようにプレーできないもどかしい時に、いつも隣でじっくり話を聞いてくれた」と隅田凜選手。チームメートに寄り添い、その心を温め続けた9年間だった。その笑顔はこれからも仲間を優しく照らし続けるはずだ。

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