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【マイナビベガルタ仙台レディース】「貫いたゴールへ向かう姿勢は、新しい世代へ受け継がれる」有町紗央里選手引退記者会見

2020.11.24

有町紗央里選手より引退のあいさつ。
「今シーズン限りで引退することにしました。小さい頃からこの年までサッカーを続けてこられたのは、最初は『サッカーが面白いな』というところから始まったのですが、そこに関わるたくさんの方との出会いがあって、いろんな方に支えてもらってここまでやってくることができたのかなと思います。

いつも試合で勝つこと、ゴールを決めることを意識して毎日を過ごしていましたが、なかなか勝つことができなかったり、思い通りにいかないこともたくさんありました。楽しいことだけではなく苦しいこともたくさんありました。その苦しい時にいろんな人が支えてくれました。そして『どうしたら諦めずに立ち上がっていけるか』ということを何度も何度も経験して、自分一人では本当にここまでやって来られなかったと思います。乗り越えてこられたのはたくさんの人のおかげだと思っています。

ベガルタ仙台に来て、本当に驚いたのはスタジアムでのサポーターの応援のすごさでした。自分の名前をコールしてもらった時は本当に鳥肌が立つほどの驚きと喜びがあったことを今でも覚えています。仙台でプレーできたことは大きな財産ですし、この地で多くの選手がこれからも活躍していくと思います。これからも熱い応援をよろしくお願いします。本当に6年間ありがとうございました」

―引退を決断した時期と理由を聞かせて下さい。
「現役引退を考えたのは8月末くらいです。けがが多く、思い切りサッカーができないというか、どこかに痛みを抱えながらプレーしていました。そういう状態でプレーする中で、自分自身がピッチ上で(戦う姿勢や気持ちを)示せないことが悔しくて…。でも支えてくれる方のおかげで痛みなくプレーできることもあり感謝をしています。今チームにはたくさん良い選手がいて、若く可能性のある選手がいる中で、一緒にやれる喜びを感じていました。それと共に、その子たちの活躍や成長する姿を見ていると、自分が一生懸命今までやってきたこと、ピッチで見せてきた姿を、若い選手たちがグラウンドで出してくれました。それを見て、『あぁ、自分、そろそろいいのかな』って思うことが多くなり、引退を決断しました」

―けががあり、1年以上プレーできないという期間ありました。どんな思いで乗り越えてきましたか。
「けがをした時はサッカーができなくなって、毎日つまらないというか、サッカーできないことがこんなに苦しいのかと思うことが多かったです。それでもピッチで戦っているみんなや普段練習の時に声をかけてくれる仲間、同じ時期にけがをしていたメンバーも『一緒に絶対に試合に出ようね』と声をかけてくれました。ドクター、トレーナーも一生懸命復帰に向けて取り組んでくれたことが嬉しかったです。その人たちのためにも自分がグラウンドで駆け回っている姿を見せたいなと思っていました」

―2015年からの6年間、仙台で最も心に残る思い出はどんなことですか。
「思い出はたくさんあるのですが、いろんなチームメートと、たくさんケンカしたことです(笑)自分も勝ちたいから思ったことを言うし、相手も勝ちたいから思ったことを言う。それでケンカしているのをなだめてくれる仲間がいて、どうしたらいいかなと考えたこと。そういう日々の些細なことが、自分の中で大切な思い出になっています。勝つことももちろん嬉しかったですが、思ったことを言い合える仲間に出会えたことが、とても大切な時間だったと思います」

―湯郷でプレーし、仙台でプレーし、日本代表にも選ばれた選手生活。選手として大切にしてきたことはどんなことですか。
「私はテクニシャンではないので、ゴールに向かう姿勢です。どんなボールでもゴールにつなげたいと思っています。どんなゴールでも1点は1点だと思っていたので、泥臭く気持ちのこもったプレーを、常に心掛けてきました」

―リーグ戦と皇后杯、残り試合へどう挑んでいきますか。
「引退を決めてから残り2ヶ月しかないというところで、自分が選手としてできることを最大限やりたいと思います。このメンバーとできる練習、試合は思い出づくりではないので、勝つために良い競争をして試合に出る選手に『がんばってこいよ』と、みんなが言い合えるような信頼できるチームを作り上げたいと思います」

 有町選手といえば、忘れられないゴールがある。2019年のなでしこリーグカップ第1節、伊賀FCくノ一戦の得点だ。後半アディッショナルタイム、有町選手はゴール前に全身を投げ出しヘディングシュートを放って倒れこんだ。ポストが弾いたボール、それが再び有町選手の頭へ。ちょんと首を持ち上げボールはゴールに吸い込まれた。どんな体勢でもゴールを決める。努力し続けた有町選手に、サッカーの女神が微笑んだ瞬間だった。誰より声を出し、プレーと姿勢で勝利への執念を示し続けた有町選手。仙台の地で刻んだ彼女の大きな足跡は、後輩によってずっと受け継がれていく。

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