【トップチームインタビュー】DF 42 石井隼太選手「得意のクロスをもっと試合で出せるようになりたい」
特集
2025.04.23
——初めての移籍から4か月が経ちました。
だんだん慣れてきましたね。キャンプのときはまだまだ自分を知ってもらう期間というか、コミュニケーションを重ねてまずは自分がどういう選手なのかを知ってもらうことを意識していた時期でしたね。キャンプも終わるころには仲間との関係も深まって、どんどん要求したり、相手の意見を聞いたりして、いいコミュニケーションをここまでとれている感じです。最初のころは特に、ポジションが近い(井上)詩音くんとよくコミュニケーションをとっていましたね。ほかの選手もフランクに話しかけてくれて、優しいですよね。
——プレー面では、フィット具合はどうでしょうか。
攻撃に関しては、もうちょっといいかたちでクロスを上げられるところまで持っていくためのポジションや、味方への声がけとか、そういうところがまだまだ自分の中では足りていません。練習でも試合でも、まだいい位置でクロスを上げられないことが多いので、ポジショニングは改善が必要です。守備については水戸でプレーしていたときから課題なのですが、相手に対してもう一歩寄せるとか、クロス対応とかが、まだまだ足りないですね。求められるプレーのレベルが上がっていくなかでそういう課題を自分の中でも意識して取り組んでいかないと、なかなか試合にからめない印象です。
——チームの特徴として、守備で求められるものも多いのでは。
そうですね。自分としては一対一のところはわりと得意というか、いいかたちで自分の間合いで守備ができていると感じています。でも、相手に寄せるスピードとか、もう一歩間合いを詰めるとか、そういうところをもっと追求していかないと試合にも出られないし、上のレベルにはいけないのかな、という印象が自分の中ではあります。
——JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦・栃木SC戦で、仙台加入後初出場。先発し、延長戦まで戦い抜きました。
自分にとっては久しぶりの公式戦でしたが、120分をプレーしたのは人生で初めてでした。90分間は普通に体力的にもそんな問題なく戦えたのですが、その後に同じクオリティーでプレーできなかったのが悔やまれます。疲労もあって、なかなか攻撃でも守備でもチームに勢いを持たせるプレーが出せなかった印象があります。
——仙台のスタイルでは運動量を求められます。キャンプからハードなトレーニングを積んで、体力がついてきた実感はありますか。
やはり練習から試合の強度でやらないと駄目ですし、それができているからこそ練習試合や試合になったときに90分間を戦える体になってきていると実感しています。もっと試合に関わって、試合勘を少しでも戻せるようになりたいですね。練習試合と公式戦とでは雰囲気のところからして全く違うと思っているので、そういう雰囲気にも順応できるように、日ごろのトレーニングをがんばりたいと思います。
——栃木SC戦では、相手のプレッシャーを受けながらもクロスを何本も上げていました。
僕のスタイルとしては、そんなにドリブルが得意な方ではないので、相手をちょっと外して、相手が足を出しても取れないようなドリブルのイメージを試合の前の週から意識して練習していました。それが試合の中で何本かかたちになったクロスがあったのは、良かったと思います。
——仙台には宮崎鴻選手や梅木翼選手、郷家友太選手のように、空中戦に強い選手が多くいます。クロスを上げる方としてもやりやすいのでは。
特に鴻くんとクロスの話は結構していますね。鴻くんに関しては、周りの選手がニア(サイド)とかいろいろな動きをする中で、どっしり構えてゴール前にいるかたちが特に合わせやすいです。クロッサーとしても、アバウトなボールでも競り勝ってくれる感覚があります。ピンポイントで合わせられればベストですが、「ここらへん」というボールでも合わせてくれるので、そういった面ではかなり楽にというか、リラックスしてクロスを上げられると思います。
——FC東京U-15むさし出身ということで、同トップチームに在籍していた太田宏介さんのクロスを参考にしていたと聞きました。
そうです。クロスは自分のストロング(ポイント)なので、練習や試合でもっと出せていけたらもっとチームにとってプラスになるし、試合で使いたいと思われるような選手になるのかな、と思います。
——これからさらに出場機会を増やすうえで、どういうことを心がけていますか。
ゴリさん(森山佳郎監督)からも話がありますが、守備も攻撃もできないと試合にはからめないので、自分にとって一番の課題である守備のところで、もっと自分の意識を変えていきたい。もっと高いレベルでやるには今のままでは駄目だと思いますし、自分の苦手なところを補えるポジショニングができるように、味方とのコミュニケーションをもっと深めます。自分一人で守るのではなくチームで守ることを意識することが大事です。
——仙台での暮らしにも慣れてきましたか。
最初はとても寒かったのですが、徐々に暖かくなってきて生活しやすくなってきました。仙台の街のことも、オフのときとかに最初のころよりは外に出ていろいろ行っているので、だんだん慣れてきたかな、と思います。これからちょっとお気に入りの場所を作れれば、と思います。
——普段はインドア派ですか。
今はまだ、外よりも家にいることが多いですね。YouTubeをよく見ています。あとはゲームとか、自分の好きなことをやっています。チーム内ではゲームで対戦することもあって、詩音くんとか(髙田)椋汰くんとか、あとは(湯谷)杏吏とか(安野)匠とか。結構同じゲームを一緒にやっています。(名願)斗哉が一番うまいかな。でも、自分もうまい方だと思っています。
——シーズンは中盤戦に入ろうとしています。サポーターにメッセージをお願いします。
これから試合間隔の短い連戦にもなってきます。特にチームが苦しいときには、絶対にサポーターのみなさんの応援の声が選手に届きますし、大きな力になるので、一緒にひとつのチームになって戦ってもらいたいと思っています。
取材日:2025年4月17日
(by 板垣晴朗)