【ユース】グループステージ突破、そしてその先へ。第49回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が7月22日開幕

グループステージで川崎、長崎、岡山と対戦

 「第49回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」が7月22日開幕する。ベガルタ仙台ユースは東北第1代表として21年連続28回目の出場となる。昨シーズンからグループステージと準々決勝は全国4会場での分散開催となっており、ベガルタ仙台ユースは群馬会場で3試合または4試合を戦う。暑さを考慮し、試合は全て18:00キックオフで行われる。グループステージは4チーム総当たりで3試合を戦い、1位のチームのみが準々決勝に進める。準決勝・決勝は神奈川県のニッパツ三ツ沢球技場で行われる。
 グループステージだが、ベガルタ仙台ユースはGグループに入った。初日7月22日は群馬県立敷島公園補助陸上競技場にて、プレミアリーグEAST9位の川崎フロンターレU-18と対戦する。翌23日は玉村町北部公園サッカー場にて、プリンスリーグ九州3位のV・ファーレン長崎U-18と対戦。そして25日は玉村町北部公園サッカー場にて、プレミアリーグWEST9位のファジアーノ岡山U-18と対戦する。Gグループ首位となり、グループステージを突破すると、26日バニーズ群馬宮城総合運動場にて、準々決勝でHグループ首位チームと対戦する。

春から公式戦無敗で全国大会へ

 今シーズン、新監督として加藤望監督を迎えたチームは「攻守で自分たちからアクションを起こす」をテーマに春から好調を維持し、「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2025東北」では前半戦9試合無敗だった。後半戦初戦となる予定だった7月5日の第10節仙台育英高戦が延期となったため、他チームより1試合少ない状況で7勝2分け勝点23で2位につけている状況だ。今回の全国大会の予選となる「第31回東北クラブユース選手権(U-18)大会」もブラウブリッツ秋田U-18、モンテディオ山形ユースに勝利し、2年ぶりに優勝した。公式戦無敗で全国大会に乗り込むこととなった。
 守備の要はキャプテンDF永井大義(3年)。7月4日トップチーム登録(2種)もされた。DF今野翔太(3年)やDF似内久穏(3年)らと共に守備の安定に寄与しており、さらには左足のキック精度を生かし、攻撃につながる長短のパス出しも大きな魅力の一つだ。攻撃陣は昨シーズン2年生ながらプリンスリーグ東北得点王を受賞したFW古屋歩夢(3年)が、今シーズンも得点ランキング上位につけており、2年連続得点王を目指すストライカーだ。その他昨シーズンからレギュラーとしてプレーする左サイドのドリブラーMF浅尾涼太朗(3年)や、左右どちらのサイドバックもこなせて積極的に攻撃に顔を出すDF古川柊斗(3年)、プレースキッカーとしても活躍するMF阿部琉海(3年)など攻撃のタレントを多く揃える。

(全国大会でもゴールを目指すFW古屋歩夢(3年、9番))

遠征で得た自信を糧に、目指すは全国の頂点

 6月のリーグ戦中断期間ではさまざまなチームと練習試合を行った。6月21日は流通経済大、22日は清水エスパルスユースと対戦し、「たくましくなって成長したと思います」とこうした遠征での選手の成長について加藤監督は語る。「大学生とやらせていただいて、また違った強さのある相手とできて、やられましたけどすごくチャレンジして、自分で仕掛けるとか受けるとか強度のある中でやれて、ゴール前まで行く場面もありました。守備でも最初やられましたけど、その後相手を自由にさせないことや、ブレッシングができて良かったなと思います。同じようなテンションのまま清水ユース戦に入ったら、失点0で4得点できて良かったです」と強度のある相手にも自分たちの持ち味をを出せたことをプラスに捉えていた。キャプテンの永井も「大学生相手だと、技術もそうなんですけど、フィジカル的にもやられるとこは多かったです。でも、その中でもワンタッチを使って剥がせるシーンもあって、エスパルスユースとやった時はそのイメージのまま入って、攻守両面で相手を上回れたかなと思います」とこの遠征での手応えを語った。

(チームを引っ張るキャプテンDF永井大義(3年))

 そしていよいよ22日から全国大会を迎える。加藤監督は「初戦に川崎さんとやらせていただくのですが、逆にそれで良かったなと思っています。開幕に向けてピークを持って行ってそのままの勢いで行けたら」とまずは初戦での強豪川崎U-18との対戦に向けて意気込んでいた。「そのためには、やっぱり11人だけではダメなので、バックアップも含めて誰が出てもやれるような形というのを、(プリンスリーグ東北)開幕から想定して選手を使ってきたので、リーグ戦でバックアップに入っている選手も入っていない選手も、いろいろ役割というのは整理できていると思うので、誰がどこのポジションをやっても、システムをどう変えても、全然やれると思います。バックアップの選手たちもいつ自分が出ても良い、早く出たいと思ってやっているので、すごく良い雰囲気だなと思います」と加藤監督は語る。これまでリーグ戦でもさまざまな選手を起用し、試合中に3バックと4バックを使い分けるなど多くのトライを行っており、その成果を出す絶好の機会となる。
 選手もこの大会に向けて意気込んでいる。古屋は「まずは自分たちの特徴を出して前から追って、しっかり自分が点を決めて、チームを勝たせられればグループステージ突破も見えてくるんじゃないかなと思います。1試合2点取らないとチームは勝てないですし、得点というところで差を見せていきたいです」と全国大会でも貪欲にゴールを目指す。
 キャプテンの永井は「(グループステージ対戦相手の川崎U-18、岡山U-18、長崎U-18は)全国でしかやれない相手だと思いますし、その中で自分たちがどれだけできるかというのは楽しみな部分です。今のところは(公式戦)無敗なので、無敗で行って、全国でも無敗で優勝できるようにがんばっていきたいと思います。センターバックなので、失点は0で抑えたいですけど、自分の特徴はビルドアップのところだったり、パスのところだと思っているので、そこは全国の舞台でも出していって、チームの勝利につながるプレーができたらなと思います」とグループステージ突破の先の全国の頂点も見据えた。
 今年も特設サイトでインターネット配信が予定されているので、ベガルタ仙台ユースにぜひ声援を送ってもらいたい。

(by 小林健志)