2026年2月から同年6月まで開催する特別大会「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」について解説!

 いよいよ大詰めとなった今シーズンのJリーグ!各カテゴリーとも優勝争い、昇降格争いに絡む熾烈な戦いが続き、ベガルタ仙台もファン・サポーターの熱い熱い後押しのおかげで、昇格争いに向けてチーム一丸となって必死に戦っています。

 まだまだ来シーズンのことは考えられない状況ではありますが、みなさんご存知の通り、Jリーグは2026-27シーズンにシーズン移行という大きな節目を迎えます。2026-27シーズンとは、2026年8月から2027年6月を指すことから、今シーズンを終えて現行のシーズン開幕である2月から6月までの4か月間が空白となってしまいます。そこで、「2026特別シーズンにおける特別大会」を開催することが決定し、この9月に実施された公益社団法人 日本プロサッカーリーグ理事会にてこの大会名称を「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」(以下、百年構想リーグ)とすることも決定されました。

 百年構想リーグと聞いただけでは、通常のリーグ戦とは違うのだろうとわかっていても、4か月の間にどのような展開が待っているのかは想像できません。そこで今回は、この百年構想リーグの趣旨と具体的な大会内容について詳しく紹介します!

百年構想リーグとは?その背景は?

 百年構想リーグ開催が決定した背景には、Jリーグの2026-27シーズンからのシーズン移行があります。これは、2023年から検討が進められていました。1993年にJリーグが開幕して30年が経ち、その間には、開幕当初の8府県10クラブから、現在では41都道府県60クラブへ拡大。日本代表は世界と戦えるチームになり、さらにACL優勝など、多くのことが実現されてきました。一方で、開幕当初の1994年、1995年ころのクラブ売り上げはイングランドプレミアリーグと比較して、日英いずれも同規模の500億円だったものが、2022年ではJリーグ全体とを比較してもイングランドプレミアリーグは6倍以上となり、世界との差が広がる一方となっています。

 そこで次の30年に向け、まずはこれからの10年で、「Jリーグで戦える=世界で戦えるリーグにすること」、「現在の日本代表の中でJリーグ選手がおよそ15%であるのを、Jリーグ選手の割合を増やし、欧州リーグの日本人選手とJリーグの日本人選手による日本代表にすること」、さらには「全Jクラブの売り上げを1.5〜2倍にすること」、というのを目指す姿とJリーグから発表されています。

 そのような目標が掲げられている中でも、現在Jリーグが抱えている問題として、

などが挙げられています。

 それらを踏まえて検討を進めてきた結果、Jリーグにおいて2026-27シーズンからシーズン移行を実施することとなりました。そしてそれに伴い、シーズン移行前にあたる2026年2月から6月までの4か月間「このタイミングにしかできない」特別な大会として設けられたのが百年構想リーグです。J1リーグは東西2つ、J2・J3リーグは東西南北4つに分かれたそれぞれのグループでの戦いが行われます。開幕して30年を経て全国60クラブとなったからこそできる、特別な大会となります。

百年構想リーグの具体的な大会方法は?
J1リーグとJ2・J3リーグの違いは?

 この百年構想リーグは、J1リーグ、J2・J3リーグに分けられます。どちらのリーグに入るかは、2025シーズンの昇降格によって決まるため、現在JFLで戦っているチームもJ3に昇格(入会)できれば参加資格が与えられます。そして、この百年構想リーグは2026-27シーズンの昇降格には影響なく、2025シーズンの昇降格が2026-27シーズンに反映されます。

 ここからは、J1リーグ、J2・J3リーグに分けて解説していきます。

百年構想リーグ:J1リーグ
東西でダービーマッチの白熱した戦いが繰り広げられる!

【地域リーグ ラウンド】2026年2月7日(土)〜5月24日(日)
【プレーオフ ラウンド】第1戦:2026年5月30日(土)・31日(日)、第2戦:6月6日(土)・7日(日)

 J1リーグは、東グループ10クラブ、西グループ10クラブに分けられる「地域リーグラウンド」と、その後の「プレーオフラウンド」が行われます。グループ分けについては、2〜3月ごろにホームゲームが実施できない降雪地域クラブのバランスや、同都道府県クラブができるだけ同グループになるように調整の上、決定されます。ということは、この百年構想リーグでも各地で必見のダービーマッチが行われる可能性が大!です。

 地域リーグラウンドは各グループ内でホーム&アウェーのリーグ戦で1クラブあたり18試合。1試合90分で勝敗が決まらない場合、延長戦は行わず、PK戦となります。PK戦での勝点は「勝利:2」、「敗戦:1」、90分で決着がついた場合は「勝利:3」、「敗戦:0」です。

 また百年構想リーグでは、通常のリーグ同様に勝点1毎に特別助成金が与えられます!全20クラブに勝点1あたり200万円、勝点3の場合には1試合600万円となるので、1クラブ18試合、最大で1億800万円を獲得できるチャンスがあります!

 そして、地域リーグラウンドで東西1位〜10位の順位が決まった後は、プレーオフラウンドへ。これは、東グループと西グループの同順位同士がホーム&アウェーで1クラブあたり2試合が行われます。1試合目は延長・PKは実施せず、2試合目に2試合合計の勝敗が決まらない場合には、延長→PKで勝敗が決まります。

 この百年構想リーグでは各グループ同順位で勝敗を決めるため、東西1位同士でJ1リーグ全体の1位と2位、東西2位同士でJ1リーグ全体の3位と4位、東西3位同士でJ1リーグ全体の5位と6位…と各グループでの順位によって、全体の順位も決まります。そうしたことから各グループでの順位は大変重要なポイントです!

 プレーオフラウンドにおいても、1位から3位までは賞金が与えられ、さらに競技順位や人気順位による理念強化配分金や特別助成金も用意されているほか、1位のクラブはACLエリート2026/27の出場枠を獲得できます!

※2025シーズンJ1リーグ優勝クラブと準優勝クラブのいずれかが百年構想リーグで優勝した場合、2025シーズンJ1リーグ3位クラブがACLエリート2026/27の出場権を獲得します。

百年構想リーグ:J2・J3リーグ
東西南北各地で、ジャイアントキリングが起こる予感!

【地域リーグ ラウンド】2026年2月7日(土)〜5月24日(日)
【プレーオフ ラウンド】第1戦:2026年5月30日(土)・31日(日)、第2戦:6月6日(土)・7日(日)

 J2・J3リーグでは、北グループ10クラブ、東グループ10クラブ、西グループ10クラブ、南グループ10クラブの全40クラブにて、「地域リーグラウンド」と「プレーオフラウンド」が行われます。こちらのグループ分けについてもJ1リーグ同様に調整の上、決定されます。

 地域リーグラウンドはJ1リーグ同様、各グループ内でホーム&アウェーのリーグ戦で1クラブあたり18試合、90分で勝敗が決まらない場合は延長戦は行わずPK戦となります。

 J2・J3リーグでも勝点1ごとの特別助成金が用意されており、全40クラブに勝点1あたり50万円、勝点3の場合は1試合あたり150万円で、1クラブ18試合で最大2700万円を獲得できるチャンス!

 J1リーグと比べJ2・J3リーグでは、金額がドンと下がってしまうのでJ1リーグで戦いたい!戦う!

 そしてJ2・J3リーグのプレーオフラウンド。こちらはJ1リーグとは異なり、各グループ同順位同士のノックアウト方式、つまりトーナメント一発勝負。こちらも1クラブあたり2試合、90分で勝敗が決まらない場合には延長→PKとなります。

 ただしこちらもJ1リーグ同様、東西南北各グループ1位同士(4チーム)の結果でJ2・J3リーグの1位〜4位が決まり、東西南北各グループ2位同士(4チーム)の結果でJ2・J3リーグの5位〜8位、東西南北各グループ3位同士(4チーム)の結果でJ2・J3リーグの9位〜12位…と東西南北各グループでの順位の結果によってJ2・J3リーグ全体の順位も決まるうえに、下位から上位へジャンプアップできる仕組みもないため、地域リーグラウンドの18試合はひとつひとつが負けられない戦いとなります。

 しかし、J2・J3リーグの場合、J1降格組からJFLからの昇格組といった多彩なカテゴリーのクラブが対戦するため、ジャイアントキリングといった見応えのある試合も期待できそうです!

 こちらも賞金・特別助成金が用意されており、賞金は1位が1,500万円、2位750万円、3位250万円で、特別助成金は1~40位までで総額6,000万が与えられます!

百年構想リーグまとめ
そして「百年構想リーグ+2026/27シーズン」のSOCIO FANCLUB概要は公式の発表をお待ちください!

 ここまで、「このタイミングにしかできない」特別な大会、百年構想リーグについて解説しました。ポイントは以下の通りです。

 他にも気になる情報は、Jリーグから発表されている公式サイトもあわせてご覧ください!

 なお「百年構想リーグ+2026/27シーズン」の年間チケットに関してはこちらの発表をご覧ください。
 SOCIO FANCLUBの概要は後日改めてのお知らせとなりますので、公式サイトの発表をお待ちください!
 なにより、今ベガルタ仙台は現在過酷な昇格争い、優勝争いに挑んでいます。ぜひ百年構想リーグJ1リーグでの活躍を期待しましょう!

(by 内田明子)