【ユース】プリンスリーグ東北が開幕!自慢のパスワーク武器にリーグ優勝・プレミアリーグ参入を目指す

 今シーズンも「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2023東北」が開幕した。東北地域の高校・クラブユースの強豪10チームがホーム&アウェーの2回戦総当たり18試合を戦うリーグ戦だ。プリンスリーグ東北で優勝または青森山田高セカンド、尚志高セカンドを除いた最高順位になると、12月8、10日に広島県で開催される「高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2023プレーオフ」に出場でき、この大会を勝ち抜けば「高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグ2024」に参入できる。  4月1日の開幕戦、対戦相手は尚志高セカンド。昨シーズンまでプリンスリーグ東北に参入していた尚志高がプレミアリーグ参入を決め、今シーズンはセカンドチームがプリンスリーグ東北に参入した。試合は前半からベガルタ仙台ユースがボールを持つ時間帯が長く、決定機もつくった。そして42分FW佐々木悠磨(3年)からパスを受けたMF松本琉聖(3年)がミドルシュート。鮮やかな弧を描いたシュートがゴールネットに突き刺さり、先制に成功した。

(先制ゴールに喜ぶベガルタ仙台ユースの選手たち)

 後半に入り51分相手のミドルシュートが決まり同点に追いつかれたが、ベガルタ仙台ユースはさらに攻撃の圧を強めた。特に両サイドの攻撃が強烈で、左サイドは鋭い縦への突破を見せるDF高橋昂平(3年)と、圧倒的なドリブルテクニックを見せるMF河野和真(3年)、右サイドはベガルタ仙台の右サイドバックらしくゴール前まで顔を出すDF門脇康太(2年)と切れ味鋭い突破と精度の高いシュートを持つ松本琉の連係から何度も決定機をつくり出した。
 そして75分ゴール前で佐々木悠、途中出場のFW古屋歩夢(1年)とパスがつながり、最後は右サイドから飛び込んできた松本琉がシュートを決めて再びリードを奪う。80分にはゴール前に飛び込んできた門脇がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。松本琉が落ち着いてPKを決めてハットトリックを達成した。アディショナルタイム90+3分にはこの日が高校年代の試合デビューだった古屋がゴールを決めて試合終了。4-1でベガルタ仙台ユースが開幕戦を快勝した。

(開幕戦でハットトリックを達成した松本琉聖)

 「開幕戦は誰しも緊張があるのは当たり前だと受け入れて、やるべきことをしっかりやろうという中で入ってしっかりプレーしてくれました。序盤も硬さがある中でも良い判断をして、ボールロストをせず、守備のところでの対応も間違えないところは比較的できていたと思います。我慢して相手を動かしてボールを握って、最後仕留めるというところでは言うことなかったと思います」と試合を振り返り、木谷監督は選手を讃えた。
 そしてただパスを回すだけでなく、サイドからえぐって迫力のある攻撃を見せられたことについては「今年のチームはボールをしっかり握れば、どこが相手でもある程度主導権を握れる試合はできると思うので、それをいかにやり続けられるかです」と攻撃力に自信を見せる。昨シーズンからレギュラーとしてプレーしているキャプテンMF各務剛良(3年)も「今年はボールを回すことにフォーカスして練習していて、それが試合で出て良かったと思います」と自慢のパスワークから得点も生まれていることに手応えを感じている様子だった。
 そしてハットトリックの松本琉について木谷監督は「(松本)琉聖は結果が出ることによって自信をつけて、自分のパターンを持って成長してくれればうれしいなと思います。エリアの中のシュートが決められる場所に入って行けています。こぼれだけじゃなくて今日みたいに自分から仕掛けて点も取れるようになっています」と成長している部分を語った。松本琉は昨シーズン秋ごろから得点が取れていることについて「得点が取れないのが短所だったので、それを改善するために自主練でシュート練習を多く取り入れました」と練習の成果だと語る。
 磨き上げたパスワークが自慢のチームは、プリンスリーグ東北優勝とプレミアリーグ参入を目指す。キャプテンの各務は「自分たちは優勝とプレミア昇格しか目指していないので、どの試合も勝てるように練習からやっていきたいです」、松本琉は「自分の目標は得点王で、チームの目標はプレミアリーグ参入という目標で1年間やっていきます。全試合勝てるように自分がチームを引っ張っていきたいです」と強い意気込みを語った。最高のスタートを切ったベガルタ仙台ユース、今後の戦いが楽しみだ。

(試合後選手たちとハイタッチする木谷公亮監督)

(by 小林健志)