【地域連携活動】自然に翻弄された2024年のベガルタハウス、さつまいも掘りと稲刈り作業で締めくくり。富田晋伍C.Cと萬代宏樹さんの“ほぼ同期入団”組も本気モードの収穫対決!?

10月5日(土)、七ヶ宿町のベガルタハウスにて今年最後の畑作業のさつまいも掘りと、稲刈り作業を行いました!稲刈り作業は、ベガルタハウスを管理していただいている七ヶ宿まちづくり株式会社さん企画の稲刈りイベントです。

この日の七ヶ宿町は、あさ9時の時点で気温15度の少し肌寒い曇り空。この日のイベントを進行してくださる七ヶ宿まちづくりの斉藤さんによると、前夜は猛烈な雨が降りイベントの開催を危惧されていたそうですが、明け方には雨雲はすっかり抜け、畑も田んぼもぬかるむことなく、むしろイベント日和となりそうな天候となりました。

今回参加したのは、ご家族や友人同士など県内外から集まった12組33名。さらに、ベガルタハウスの畑作業どころか七ヶ宿町のイベントには欠かせない存在となった社会人サッカーチームのT.G.C.FCさんから5名、そしてもちろん富田晋伍C.Cと、わらじまつりに引き続き参加の“ほぼ同期入団”元ベガルタ仙台の萬代宏樹さんという、今年のベガルタハウスイベントのなかでも大所帯での開催となりました!埼玉県から訪れたというご家族は、なんと前夜に車でご自宅を出発して下道で休憩をとりながらの到着。この畑作業のあとご家族でベガルタハウスに宿泊されるらしく、バーベキューセットなどを用意されていました。ベガルタハウスでの宿泊楽しそう!!

ベガルタハウスのイベントは、この日も参加者のみなさんが受付開始時刻の9時半前にはすでに全員が集合。みなさんとてもイベントを楽しみに訪れているんだなあといつも感じます。なかでも稲刈りは、春に七ヶ宿まちづくりさんが企画した田植えイベントの参加者もいるとのことで、自身の植えた苗の成長を楽しみにしている方も多いようです!

5月の種植えと牛舎補修以来のイベント開催となったのには、自然には抗えぬ理由が…

さて、ベガルタハウスイベントについて前回お伝えしたのは、富田C.Cが奮闘した5月のとうもろこしとじゃがいもの種植えと牛舎補修でした。その後、本来であれば初夏にはさつまいもの植え付け、お盆が過ぎたころには5月の作物の収穫イベントが待ち受けているはずだったのですが、例年にない猛暑や豪雨で日程が合わず、合間を縫って富田C.CとT.G.C.FCのみなさんとで作業を進めてくださっていたのでした。

なかでもじゃがいもととうもろこしの収穫は、筆者に届いた画像はじゃがいものみ…。とうもろこしはなんと近所の猿たちが見事に平らげてしまったようで、残骸だけが残っていたとのこと。昨年は電気柵で対策をしたのですが、猿は簡単に飛び越えてしまうとのこと。唯一幸運だったのは、この辺の猿たちは土を掘ることまでは学習してないようで、じゃがいもは無事収穫できたのだそうです。でもそれも、今後猿たちが土を掘ることを覚えてしまえば、どうなるかわからないとのこと。七ヶ宿町はたくさんの自然が残されていますが、山を切り崩して開発しすぎると、かわいい猿たちも害獣に化してしまうという、複雑な問題です。

まずはさつまいも掘りから!
土の中には巨大なさつまいもがゴロゴロと!子どもたちも土の上でごろごろと!

富田C.Cから「みんなで楽しみましょう!」とのあいさつがあったあと、まずはさつまいも掘りからスタート。隣の畝にもはみ出るようにびっしりとツルが生い茂り、収穫にぴったりのタイミング!ツルを剥がしながら土を掘り進めると、大きなさつまいもがゴロゴロと出現し、畑のあちこちで歓声があがっていました。子どもたちはさつまいも掘りだけにとどまらず、時折登場するカエルを追いかけたり、しまいには服の汚れも気にせず土の上でゴロゴロと寝転がったり、日常で体験できない土や畑作業を楽しんでいました!

仙台から訪れたというご家族は40代のご夫婦と2歳の女の子、4歳の男の子、そしてお母さんの背中でぐっすりと眠る10か月のお子さんの5人で参加。稲刈りやさつまいも掘りなど、仙台ではなかなか体験する機会がないので、七ヶ宿まちづくりのイベントを見つけて参加したとのこと。先に書いた、土の上でゴロゴロと遊ぶお子さんを目にしても「まあ、止めても仕方ないので、思う存分遊ばせてます」と自然と触れ合える機会を満喫していました。

同じく仙台から参加した小学2年生の女の子と40代のお母さんも、お子さんが幼稚園のころはいも掘りイベントがあったけれど、小学校に上がってからはこのような体験がなく、お子さんが「ぜひやりたい!」とのことで参加したそう。身近な自然が減っている都市圏では特に、このような自然体験はとても貴重なチャンスのようですね。

一方、わらじまつりに引き続き、仲良し「ほぼ同期入団」の富田C.Cと萬代さんも、収穫したさつまいもの大きさ対決に熱中。スムーズに大きなさつまいもを見つける萬代さんに対し、ほっそーいさつまいもしか見つけられずに悪戦苦闘の富田C.Cは、すでに収穫済みの大きなさつまいもを手に「とれた!」という最終手段に出る始末。プライベートでも仲良しという二人、普段通りのやり取りで楽しんでいました。

袋いっぱいになったさつまいもをみなで手にして、さつまいも掘りは終了。このあと土をつけたまま一週間ほど時間を置くと甘味が増しておいしくなるそう。秋の畑の恵みを堪能してくださいね!

田んぼへ移動し、稲刈り体験!
鎌を使って手作業での地道な稲刈りに、昔の米農家さんの労苦を実感!

さつまいも掘りに続いて、七ヶ宿まちづくりさんの運営するくらし研究所に移動し、稲刈り体験。今回は、七ヶ宿町の農業法人ライスファーム代表理事の梅津さんと渡辺さんにご指導をいただきながら、鎌を使っての稲の刈り取りと、稲を束ねて乾燥させるための棒に積み重ねていく作業を進めていきます。

今回の参加者のなかには、田植え体験にも参加し、稲刈りを楽しみにしてきた方もいらっしゃるのですが、あいさつの冒頭に梅津さんから「春に田植え体験に来た方には申し訳ないですが…、田植えした源流米『やまのしずく』という品種は早稲品種なので、実はもう刈り取りが終わってしまいました…」とコメントがあると、参加者みんなで大笑い。続けて「今回は宮城県奨励品種の『まなむすめ』という品種を刈ります。今年は豊作と言われていますが、刈ってみると…平年並みです」と場を和ませてくださいました。

さっそく隣に広がる田んぼへ移動すると、渡辺さんから鎌の使い方のレクチャー。刈る部分に手を近づけすぎないこと、のこぎりのようにギコギコと動かさなくても手前に引っ張るように引くだけでスッと切れることを説明したあと、ひとりひとりが鎌を手にして、丸々とたわわに実った稲穂を刈り取っていきました。とはいえ、レクチャー通りにスッと刈るのに苦戦している方が多いなか、スッスッと刈るだけでなく稲束を藁でササっと簡単に束ねていくご夫婦が。隣の白石市から参加した50代のご夫婦で、過去に農家をされていたのだそう。近年はもちろん機械で収穫していましたが、「機械が届かない田んぼのすみのほうは、今回のように手刈りをしていたので慣れています」とのことで、他の参加者の方々に率先して教えていました。ベガルタ仙台については昨年ご家族に試合に連れていってもらってからすっかりハマっているのだとか!ありがとうございます!

梅津さんや渡辺さん、そしてこのご夫婦は藁を使ってササっと稲束をまとめていくのですが、見た目と異なり、実際にくるくると藁で結んでいくのはなかなか難しいようで、みなさん苦労されていました。この束ねた稲は、「はざがけ」といって田んぼに差した背の高い杭に積み上げていき、3週間ほど乾かすのだそうです。しかも重ねたままでは内側が乾かないので途中で重ね返す作業も必要。今では乾燥機を備えた重機を使って翌日には出荷体制にできるとのことで、わたしたちの食卓にのぼるまでの時間が短くなったのはありがたい限りですが、過去にこれらをすべて手作業で行われていた米農家さんのご苦労を思うと脱帽です。梅津さんいわく、今回の稲束をまとめる手作業自体もできる人がほとんどいなくなっているのだそうです。それを考えると本当にこの稲刈り体験は貴重だなと実感します。

友人同士4名で参加したという方は柴田町からの参加。偶然、くらし研究所にお茶をしに立ち寄った際に稲刈りイベントがあることを知り、さっそく申し込んだとのこと。鎌の使い方や藁での結束には苦戦していたものの、鎌で稲を刈るときの「シャッ」という感覚が「スカッとして気持ちよかったです!」とのことでしたよ。

今回ベガルタハウスに宿泊予定のご家族の中学3年の女の子は「今年受験生だから、今夜も勉強しなくちゃならないんです(涙)」と言いながら、結構体力を要した稲刈り作業に「腰が痛い…」と言っていました。今晩はちゃんと勉強できたでしょうか?

さてさて、稲刈りでの富田C.Cと萬代さんはというと、遠縁が農家さんだったという萬代さんは飲み込みが早く、サクッサクッと稲を刈って、サササッと束ねていく一方、富田C.Cは遠巻きに眺めたあと、恐る恐る鎌を使って刈っていくという、さつまいも掘りと同様に対照的な二人です。熟考型(?)の富田C.C、手応えをつかんだあとは藁での結束やはざがけも手際よく進み、残った稲も次々と刈り取っていき、最後には二人で撮影し合いながら楽しんで(遊んで?)いましたよ。

みんなで畑作業と稲刈り作業を終えたあとはくらし研究所へ戻り、一週間前に収穫したという七ヶ宿源流米での炊き立てご飯と、地元のお母さん方による具だくさんの芋煮を食べて腹ごしらえ。炊き立ての新米ごはんに「甘くておいしい」とみなさん舌つづみを打ちながら、今日の収穫作業の感想を話し合っていました。

結構、苦戦した感が見られた富田C.C、「鎌の使い方や稲を束ねることなど初めてのことが多く、よい経験ができたし、たくさんの方が参加してみなさん楽しんでいたのでよかったです」とのこと。プライベートで仲良しという萬代さんとは「仕事として一緒に活動できて楽しい時間を過ごせました」とのことで、来年のベガルタハウスも恒例コンビになるとかならないとか?

今年のベガルタハウスでの畑作業はこの日が最後。ベガルタファームでは天候や猿に翻弄され、雪かき選手権も少雪のために急きょ公民館内でのサッカー大会になるなど、自然には抗えないことを実感した2024年の活動でしたが、最後のさつまいも掘りと稲刈りでは参加者みなさんが満喫できたようで、結果的には貴重な一年だったのではないでしょうか?次は年明けの雪かき選手権が待っていますので、みなさんぜひご参加を!

この日の様子はVEGALTA SENDAI SOCIO MAGAZINEのYouTubeでも配信していますので、ぜひみなさんご覧ください!

(by 内田明子)