【ジュニアユース】高円宮杯JFA全日本U-15サッカー選手権大会は東北大会決勝で敗戦。悔しさを高校年代での成長につなげたい

東北大会優勝からの全国大会出場を目指す

 今年4~10月に行われた「高円宮杯JFA全日本U-15サッカー選手権東北みちのくリーグトップリーグ」。東北のトップクラス10チームによる2回戦総当たりのリーグ戦で、ベガルタ仙台ジュニアユースは優勝目指して戦ったが、青森山田中が優勝。優勝した青森山田中は東北第1代表として、12月に行われる「高円宮杯JFA第36回全日本U-15サッカー選手権大会」への出場が決まった。
 ベガルタ仙台ジュニアユースを含む2位以下のトップリーグのチームと、南北チャレンジリーグ(南東北、北東北に分かれたトップリーグの下部リーグ)のチーム、そして東北6県の予選を勝ち抜いたチームは10月末から11月にかけて行われた「高円宮杯JFA第36回全日本U-15サッカー選手権大会東北大会」を戦うこととなり、この大会に優勝したチームが東北第2代表として高円宮杯全国大会へと出場できる。
 東北大会優勝での全国大会出場を目指すベガルタ仙台ジュニアユースは10月27日福島市十六沼公園で行われた2回戦東日本国際大附属昌平高に3-0で勝利。11月3日女川町総合運動公園第1多目的運動場で行われた準々決勝A.C AZZURRI戦は4-0で勝利。11月4日セイホクパーク石巻フットボール場で行われた準決勝ブラウブリッツ秋田U-15戦も4-0で勝利し、ベガルタ仙台ジュニアユースは今年も決勝進出を果たした。

(キャプテンDF鑓水桜雅(3年))

先に2失点を喫し、苦しい展開に

 決勝で対戦したのは昨年と同じJFAアカデミー福島。震災後静岡県で活動してきたが、今は福島県に活動拠点を戻している。全国から選手が集まっている強豪チームで、チャレンジリーグ南を優勝し、来年はトップリーグに昇格するチームだ。
 ベガルタ仙台ジュニアユースは立ち上がりから決定機をつくり、積極的にゴールを狙いたかったが、先制したのはJFAアカデミー福島。7分スルーパスで崩され失点を喫してしまう。その後も苦しい時間帯が続いたが、ジュニアユースの選手たちは必死に体を張った守りを見せて、追加の失点を許さなかった。前半は0-1でJFAアカデミー福島のリードで終えた。
 後半、すぐに同点に追いつきたかったが、46分右サイドから攻め込んできたJFAアカデミー福島の選手は、ベガルタ仙台ジュニア出身のMF吉原希音(3年)だった。吉原にドリブル突破からシュートを決められ、0-2と点差を広げられてしまう。

後半、意地のゴールを決めたが…

 しかし、ここから試合の流れが変わる。51分に相手が退場者を出し、数的優位となったベガルタ仙台ジュニアユースは54分FW久保佑貴(3年)のゴールで1点差に詰め寄った。さらに65分相手はもう1人退場者を出し、2人数的優位という状態となる。
 ただ、2人退場者を出したことで、普段はボールポゼッションするスタイルのJFAアカデミー福島も自陣に人数を割いてゴール前を固め始めた。ベガルタ仙台ジュニアユースは必死に相手陣内に入り込んで多くの決定機をつくったが、はね返されてしまう。猛反撃を繰り広げたが、あと一歩でゴールを奪えず、1-2で惜敗。JFAアカデミー福島の全国大会出場が決まり、ベガルタ仙台ジュニアユースは全国の舞台に進むことができなかった。激闘を繰り広げた選手たちはみな、涙を流し悔しがった。
 嶺岸佳介監督は「アカデミーさんの個人個人の力、プレーがすばらしかったです。相手の良さを出させないようにと思ったのですが、プレッシャーがかかって硬くなってしまいました」と決勝での独特の緊張感があったという。相手が2人退場とはなったが「明らかに優位な状況でしたが、ゲームコントロールが難しかったです」と引いて守る相手を崩せなかったことを悔やんだ。
 ただ、この選手たちにはまだ先がある。こうした経験を高校年代で生かせれば良い。「ここで負けて良かったと思えるように、今後それぞれのサッカー人生に生かしてほしいです。また自分の価値、クラブの価値を上げられるように、自分と向き合い続けてほしい」と嶺岸監督は期待をかける。
 夏の大会は負傷で出場できず、この大会にかけていたキャプテンDF鑓水桜雅(3年)は「実力が足りないと自分たちは分かりました。意識を変えて今までの倍くらい練習をするしかありません」とこの悔しさを今後の成長につなげようとしている。今回は全国の舞台には進めなかったが、ぜひ3年生には高校年代で大きく成長した姿を見せて欲しい。

(得点を挙げたFW久保佑貴(3年))

(by 小林健志)