【ユース】目指すは全国優勝!そしてトップ昇格内定選手を目標に。全国大会Jユースカップを戦うユース次世代の選手たち
レポート
2025.10.24
今年もU-17年代の全国大会「2025Jユースカップ第31回Jリーグユース選手権大会」が行われている。かつてはU-18年代の全国大会だった時代や、コロナ禍の影響で地域ごとのリーグだけの時代もあったが、来シーズン以降ユースの主力を担うであろうU-17の選手たちの真剣勝負の場として、昨シーズンからリニューアルした。
まず今大会は基本的に2025年12月31日時点で17歳以下の選手が出場する。また、オーバーエージ枠として18歳の選手もフィールドプレーヤー3人、GK1人までエントリーすることができる。なお、ユースに来シーズン加入内定していてJリーグが承認した他チームの選手も2人まで出場可能となっている。
3月から6月に4チームで1stラウンドを戦い、上位2チームが別のグループの上位2チームと4チームで2ndラウンドを戦う(下位2チームも別のグループの下位2チームと戦う。この2ndラウンドで1位になったチームが、来月行われるノックアウトラウンドに進出し、11月2・3日にJヴィレッジで準々決勝、11月9日に屋島レグザムフィールド(香川県)で準決勝、11月16日にヤマハスタジアム(静岡県)で決勝が行われる。
1stラウンドBグループに入ったベガルタ仙台ユースは、3月22日塩釜FCユースに11-1、5月10日福島ユナイテッドFC U-18に2-0、6月7日アルビレックス新潟U-18に8-0でいずれも勝利し、Bグループ1位となった。Bグループ2位の福島ユナイテッドU-18と共に、2ndラウンドはDグループ1位のジェフユナイテッド千葉U-18、2位のFC町田ゼルビアユースと対戦することになった。
2ndラウンド初戦は10月12日、FC町田ゼルビアユースとマイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場で対戦した。ベガルタ仙台ユースはオーバーエージ枠を使わず、高校1~2年生と、ジュニアユース所属の中学3年生がメンバー登録された。ユースの次世代を担う選手たちで戦うこととなった。
前半は序盤はFC町田ゼルビアユースにボールを支配され、ピンチを招く時間帯も多かったが、全員で何とかしのぎ切ると、徐々にベガルタ仙台ユースもゴールチャンスをつくり出すことができるようになった。前半は0-0で終えた。
後半に入り、試合は動いた。60分MF菊池倖征(2年)のコーナーキックをFW佐藤昴太(2年)がヘディングで折り返し、MF甲斐響太郎(1年)が触ったボールをゴールに押し込んだのは、この試合でキャプテンマークを巻いたFW佐々木亮(2年)だった。「(佐藤)昴太がヘディングで折り返して、(甲斐)響太郎がちょっと流れで触って、コーナーはみんなで話し合って練習していたので、絶対ここに入れば来るなっていう感じはしていました。とにかく入って詰めるだけだったので、決められて良かったです」とこぼれてきたスペースに飛び込み、ゴールを決められたことをよろこんだ。
しかしその後、徐々に相手の反撃を受けて、76分に失点を喫してしまう。その後ベガルタ仙台ユースも勝ち越しゴールを目指して前に出るが、なかなかゴールを奪えず迎えたアディショナルタイム90+3分、コーナーキックのチャンスを得ると、菊池倖のコーナーキックにヘディングで合わせたのはDF徳永匡哉(2年)。「ラストワンプレーというのは感じていたので、もう気持ちで行くしかないなというのもありました。(菊池)倖征君が結構いいボールを入れてくれたので、あとはゴールに入れるだけでした」と気持ちでゴールへと押し込み、このプレー後すぐに試合終了。ラストワンプレーのゴールで勝利したベガルタ仙台ユースが、ノックアウトラウンド進出に大きく前進した。
セットプレー2発を決めて勝利はしたものの、相手にボールを保持される時間が長かったこともあり、試合後コーチ陣からは課題の指摘が多かった。試合の指揮を執った安川洋介ヘッドコーチは「結果としては最後点を取れて勝ち切れたのは次につながるかなというところですが、まだまだゲーム内容のところに関しては1人1人の力が無いところもありますし、グループとしても多分2年生と1年生でやる機会もなかなか無かったので、これからグループとしても成長が必要かなと感じる試合でした」と課題を挙げた。
加藤望監督も「まだまだたくさんトレーニングしなきゃいけないことがあると思います。守備の面でも、攻撃の面でも、あと個人としても、最後までゲームをやり抜けるだけの技術とか体力とかフィジカル的なところももちろん上げていかなきゃいけないですし、その辺をもっとトレーニングしていかないといけないなと感じました。自分たちで意図してボールを取りにいきたいですし、もっと自分たちにボールがなくても相手をコントロールできるような守備だったりとか、局面の厳しさだったりとかも出せるようにしていきたいなと思います」と厳しく振り返り、試合後は守備陣に個人指導をするなど選手たちをさらに成長させようと努めていた。
そんな中選手たちは今大会にどんな目標を持って臨んでいるのか。先制ゴールの佐々木は「もう優勝ですね。今年、クラブユース選手権で決勝まで行って準優勝して、優勝が身近と言ったら変ですけど、1回決勝の景色を見ているので、自分たちも決勝まで行って優勝するということが目標です」と力強く語る。夏のクラブユース選手権決勝で途中出場したこともあり、全国優勝したいという強い思いが芽生えていた。
また、決勝ゴールの徳永は「自分の先輩には見本となる(永井)大義選手とか(今野)翔太選手がいるので、そこを見ながらもっと守備のアイデアというのも増やしていって、もっとしゃべれて、潰せて、全体や周りをよく見られる選手になって、もっと全体に共有できるような選手になりたいと感じました。自分にとってそういう選手が身近にいるというのはいい刺激にもなりますし、見本となるようなすばらしい選手だと思うので、もっと真似して、盗めるところは盗んで、自分が良い方向に持っていけるようなところをもっと盗んで越えられるような選手になりたいです」とトップ昇格内定したDF永井大義(3年)や主力のDF今野翔太(3年)を目標に成長していきたいと語った。また、佐々木も「一緒に練習していても、すごく刺激になって、自分はFWなので、特に(古屋)歩夢選手はすごく教えてくれたり、アドバイスしてくれたりするので、そういうところは自分も吸収して、すごくいい刺激になっていると思います」と、同じくトップ昇格内定したFW古屋歩夢(3年)からいい刺激を受けているという。
2人のトップ昇格内定選手は、下級生の大きな刺激となっている。加藤監督は「現実として、この環境でやらせてもらってがんばればプロになれると、身近な先輩がそういう形で昇格しているので、あとはみんな1人1人が本気になるかどうかだと思うんですよね。本気になれるようにこっちもサポートしていくし、自分自身、1人1人がそういう自覚を持ってやってほしいなと思いますね」とトップ昇格を果たした選手たちを目標に、本気になってプロを目指して成長して欲しいと願っている。今年全国大会準優勝とトップ昇格2人という偉業を成し遂げたチームの1~2年生たちは、身近でかつ大きな目標に刺激を受けながら成長を目指し、今大会の全国優勝を本気で取りに行く。
2ndラウンドもう1試合はアウェー戦。10月26日(日)11:45~千葉県千葉市の高円宮記念JFA夢フィールドにてジェフユナイテッド千葉U-18と対戦する。勝点は並んでいるが、千葉の方が得失点差で上回っているため、ベガルタ仙台ユースは勝てばノックアウトラウンド進出。引き分け、負けの場合はジェフユナイテッド千葉U-18がノックアウトラウンド進出となる。ベガルタ仙台ユースの次世代を担う選手たちは全国優勝に向かって、まずはジェフユナイテッド千葉U-18戦で勝利を目指す。
ベガルタ仙台ではアカデミーの未来、すなわちベガルタ仙台の将来を担う選手たちの環境のアップデートをテーマに、2025シーズンも引き続きクラウドファンディングを実施中です。ご協力をお願いいたします。
ベガルタ仙台クラウドファンディング EVER GOLD SPIRIT FUTURES
(by 小林健志)