【ユース】19年連続26回目の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会出場決定!夏の全国に向けてさらなる成長目指す

 夏の全国大会の予選である「第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会東北予選兼2023東北クラブユースサッカー選手権大会」がマイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場にて5月28日から6月4日に行われた。ノックアウト形式の大会で、東北からは上位3チームが7月23日から群馬県で行われる全国大会に出場できる。

 昨シーズン優勝したベガルタ仙台ユースは準々決勝からの出場となり、5月28日は仙台FC ARDOREユースと対戦し、5-0で勝利した。勝てば全国大会出場が決まる6月3日の準決勝いわきFC U-18戦は前半得点が入らない苦しい展開だったが、後半キャプテンMF各務剛良(3年)、MF齋藤俊輔(2年)がゴールを決めて、2-0で勝利。この時点で19年連続26回目の全国大会出場を決めた。

 6月4日の決勝は東北第1代表の座をかけて、ブラウブリッツ秋田U-18と対戦した。立ち上がりから勢いのある攻撃を見せたベガルタ仙台ユースは22分DF門脇康太(2年)のクロスを上げると、中盤からゴール前に入ってきた各務がヘディングシュートを決めて先制に成功した。前半は1得点にとどまったが、後半はさらに攻撃の勢いを強める。43分にはFW佐藤颯生(3年)のシュートが相手DFに当たってオウンゴールとなる。52分には佐藤のパスを受けた門脇がゴール前に進入してシュートを決めた。60分にはFW佐々木悠磨(3年)からパスを受けた佐藤のシュートが決まり、90+3分には途中出場齋藤俊輔のミドルシュートが決まって試合終了。5-0と完勝で東北第1代表での全国大会出場を決めた。

(ゴールにつながるプレーも増えてきたキャプテンMF各務剛良)

 実はこの大会前、ベガルタ仙台ユースは悔しい思いをしていた。4月1日に開幕した「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2023東北」は開幕7連勝と絶好調で首位を快走していた。そんな中リーグ中断前最後の試合が5月13日の第8節モンテディオ山形ユース戦だった。前半から決定機をつくりながらあと一歩で決めきれず、後半は苦しい状況もよく持ち堪えていたが、試合終盤セットプレーの守備でPKを与えてしまい、失点。0-1で敗れ開幕からの連勝がストップ。同日劇的勝利を飾ったトップチームのみちのくダービーとは対照的な結果に終わり、大きな悔しさを味わった。

 木谷公亮監督は「リーグ中盤前の負けから入って、メンタリティ、クオリティを含めて立て直しながら、この大会で良い終わり方ができました。負けたことによって自分たちを見つめ直す良いきっかけになったと思います」。常に勝利が求められるトップチームと違い、育成の現場では、敗戦も自分たちが成長するための学びの一つである。ライバルであるモンテディオ山形ユースに敗れたことで、選手個々が自分自身を見つめ直せたことが、全国大会東北予選での良い結果につながった。

 プリンスリーグ東北ではなかなかゴールに絡む活躍が少なかったキャプテン各務も準決勝、決勝でゴールを決めた。「プリンスもクラブユースも変わらず得点・アシストのところは意識しているのですが、今回それがうまく結果として出てきたと思います」と各務は個人もチームも良い結果につながったことに手応えを語った。そして、優勝できたことについては「歴代の先輩方が優勝する姿を見てきましたし、自分たちがベガルタのエンブレムを背負っている以上は、東北で優勝することは使命だと思っているので、素直にうれしいです」と使命を達成できたことを喜んだ。

 全国大会は2015シーズンに全国ベスト4を達成して以来、グループステージ突破が無い。「普段試合をできない相手に自分たちの力を精一杯ぶつけたいです。良いメンタルをゲームでしっかり出せれば、悪いゲームはしない自信があります」と語る木谷監督。キャプテン各務も「まずグループステージ突破することを最低ラインにして、今年のベガルタは強いんだぞ、というところを全国に知らしめたいですね。チームとしてはベスト8以上を目標にしています」と強い意気込みを語った。

 8年ぶりのグループステージ突破、そしてその先のノックアウトステージでの勝利を目指して、ベガルタ仙台ユースは日々成長を重ねていく。

(全国大会でも歓喜の瞬間をつくり出したい)

(by 小林健志)